迷わず行こうよ、行けばわかるさ

何でも経験してみなけりゃわからない。やってみると先がみえるよね。還暦オヤジのダイアリー。

坂の下の湖

昨晩書いたのを一夜漬けしてUPします(夜の発想は加速して危険だから・・・笑)


45でまた風太郎になって、ブログ始めて、上海やソウル、シンガポール、インドネシアに行って、、、ここ1年半くらい、グローバル化とか、前進向西!(中国市場を注視しとこうよ。福岡からすぐだし)とか、英語はもう当たり前とか、何度も飽きずに書いてますね。あまりの雰囲気の違いに驚いてた訳です。ガンガン行きまっせ〜!っていう中国・東南アジアの国々と緩やかに落ち着いていく日本の差に。


で、焦ってたんだよね。「あ、もう既にオレらの国は追い越されてる」と感じたから。ちょろっと上海でも行けば私と同じ焦りの感覚になられると思います。で焦っていろんな本を読みました。普段読まない国の財政の本や、国防や経済系、社会心理学みたいな本や毛沢東について書いた本とか。


日本がどうのという前に、オレらの世代は確実に自分の人生と日本の現状がリンクしてるっていう珍しい世代です。1963年生まれの私の例だと、1988年(25歳)に就職して直ぐの時期にバブルが弾けました。その頃はまだ社会人成り立てなので、ボクら自身は株も何もやってないからバブルの恩恵は受けなかった。


そしてそれから、結局2008年頃まで、失われた20年って言われてる。改めて考えると、子供〜大学卒業までが最後のバブルだった訳です。何から何まで成長してた。あの頃Japan as No1とか言われてね。なので頑張れば何とかなるって教わったし、努力も実るチャンスが多かった。そう思ってたよね。可能性を追求する時代だった。


で、今からは緩やかに下って行く日本って国と40代後半で精神的・身体的に緩やかに落ち着いていくオレらって、全く一緒なんだよね。もしくは国と自分の身体がダブルで疲弊してきている、って言えるよね。なので今まで意識さえしてなかった日本って国を自分のように感じてるんだと思う。


頑張れ日本=頑張れオレらっていう構図。WBCで優勝したりすると異常に嬉しいのも納得できるね。あやうい日本=あやうい自分、だったのだ。そんで、あの不甲斐無く、ごまかし続ける亡国の首相は・・・実は、オレらなんじゃないの??(大汗)


で、もう英語やろーとか、そういう事言うのもブログに書くのも止めにします。家族・親戚のリストラやJALなど大手企業の破綻など、若い人たちは十分に日本の現在の状況(成熟期→衰退期移行中)を肌で感じ取ってるよね。オレらみたくバブルった時代で過ごし、明るい未来しか想像しなかった、夢見る若造の時代とは全く違うんだよね。冷静に判断してると思う。それを判って無かったのはオレだったのだ・・・。(ひょっとして気付いてた?・・・恥)


ちょうどそのことをはっきり書いてくれてるのが、石田衣良さんの「坂の下の湖」です。明らかに司馬遼太郎さん「坂の上の雲」のもじりですね。彼は本の中でこう謝っています(成功者にありがちな見方かもしれないけど)。気持ちを集約させた文章なので引用します。


「ぼくはこれまで、若い世代の草食傾向をきちんと評価できずにいた。でも、このあたりではっきりさせておきたい。間違っていたのは、バブル世代のぼくたちだったのだ。ごめんなさい。〜中略〜 初任給で貯金を始めるのも、自動車やもち家に興味が薄いのも、恋愛や結婚をしないのも、目の前にある成熟国家ニッポンを生きのびるため、個々の人間が選択した最適値に過ぎない・・・」(本→Amazon CAPTCHA


ですよねー。・・・なのでもう余計なこと(グローバル化とか、アジア行こうとか)言わずにおこう。若い皆さんは人の評価なんか気にせず(既に気にしてないかw)専業主夫になろうが、山小屋で働こうが、体裁なんて気にせず、自分なりに自分の価値観で堂々と行ってください。問題なのは、、、誰あろう、価値観を逆にひっくり返さねばならないオレらだ。オレらもそうしようね。。。

坂の下の湖 (集英社文庫)

坂の下の湖 (集英社文庫)