なかなか発見のある本だった。今までの登山はヘビィ・デューティ過ぎたのかもしれない。特に2000m以下の山域の場合。無雪期、フラットな移動や1000m前後の低山ならまさにこのウルトラライトな世界が良いのだろう。ウルトラライトって言葉だけを聞くと装備品をとにかく軽くすることかと思ってしまうけれど、そうではなく考え方(ひとつの思想)のようだ。
イントロダクションより
ウルトラライトハイキングの「軽さ」にしか目を向けないのはもったいない。むしろ、その向う側にある「シンプルさ」や「自然との関係」にこそ、ウルトラライトハイキングの核心があるのです。ハイカーはもちろん、自然に興味をもつ多くの方に、こんなハイキングスタイルがあることを知ってもらえたらと思います。
こないだのスイスの山旅(オートルート約190km、2週間)でも軽さはとても重要だってことを実感した。毎日1000m登って1000m降りるようなことをしてると、担ぐ重さでハイキングの楽しさに直接影響するってことがわかった。(途中の谷でJET BOILなど荷物を減らして最終的に10kgくらいにした)1日〜2日ならともかく、1週間以上の登山となると軽さは本当にハイキングの核心になるね。
この本で目から鱗的なポイントも多々あって、例えば・・・
・インパクトの軽減(自然をいかにそのままにしうるか、重たく硬い登山靴でよいのか?)
・ステルスキャンプ(自然へのインパクトを軽減するキャンプ方法)
・何を持っていくか?ではなく何を置いていくか? などなど・・・
ウルトラライトに旅をするということで自分と環境への負荷を軽減し、より自然との一体化を感じれるようにするっていうことだね。軽さは=シンプルさ。この点、波乗りも同じ感覚なんだよね。波乗りって一枚の板だけだから、シンプル。
ハイカーは一度ぜひ読んだほうが良いと思う。無駄に過剰な装備の重さで自然を楽しむどころじゃない経験をした方も多いはず。また、ハイキングを始めたばっかりの方にも読んでほしいね。フツーの登山店にいくと必要以上に重たい登山靴を、必要以上な雨具を、そして堅牢すぎる重たいテントを 買ったりしちゃうから。。。
オススメです★★★★評価額800円
- 作者: 土屋智哉
- 出版社/メーカー: 山と渓谷社
- 発売日: 2011/02/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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