迷わず行こうよ、行けばわかるさ

何でも経験してみなけりゃわからない。やってみると先がみえるよね。還暦オヤジのダイアリー。

アメリカの恋活・婚活はインターネット

JMMメールの転載です。身近な話題で、日本じゃ出会い系サイトっていう世界で、未だ市民権得てないよねぇ〜。ちゃんとしたのあればいいのに(笑) 文章、長いけど、独身の皆さん(あんまいねーかw)興味があるだろうと思うので、以下転載。


「米国の恋活・婚活ー出会いの主流はインターネット」

1998年にメグ・ライアントム・ハンクスが主演の"You've got mail"という映画がヒットしたことがあった。米国ではそのころから、インターネットで大人が人と出会って恋をするというのは徐々に増えた。2000年ごろにはインターネット(Online dating website)で人と出会うことが急速に流行し始め、現在ではインターネットで恋活・婚活をするのは、老若男女普通でごく当たり前のこととなっている。


たとえばここ数年、パーティーで知り合ったカップルや最近結婚した夫婦に、どこで出会ったのかと尋ねると「インターネットで出会ったの!」「インターネットで出会ったんだよ!」と答える人が過半数。私の周りでもインターネットで恋人探しをしている人、恋人に出会った、という人はたくさんいて、あまりにも多くの人がインターネット上で恋愛市場に参加している。米国では今や出会いの主流はインターネットといっても過言ではないと思う。


米国で特徴的なのは労働市場と似ていて、若い人だけでなく中高年にもしっかりとした恋愛市場が存在し、流動性も高いということだ。米国で離婚率50%と言われるようになってからすでに30年くらいたつし、一人で何度も結婚・離婚を繰り返す人もいる。成人人口の中で離婚経験者はひょっとしたらマジョリティかもしれない。日本と比べると明らかに中高年の独身人口が多い。中高年になっても次が見つかりやすいので、離婚をためらわずにもっと自分に会う人を探して新しい人生を歩もうと考える。現状に不満があれば新天地を目指すという根源的なアメリカ人気質が顕著にあらわれているのかもしれない。中高年シングルの恋愛活動は活発だ。

〜中略〜

インターネット(Online dating website)で出会うというのは、日本のいわゆる「出会い系サイト」や結婚仲介業が行っている結婚情報サービスとは意味がずいぶん違う。当然自己責任で、玉石混交の中から自力で好みの相手を探し当てるのだ。具体的にはmatch.com やeHarmonyといった大規模な出会いのマッチング・サイトが人気。
match.comは日本版のmatch.comが数年前から存在する。eHarmonyはまだ日本版はないようだ。料金はサイトやサービスの内容によって無料のものと有料のものがある。有料の場合でも気軽に参加できる程度の料金で、月額料金は数十ドルくらいだ。

〜中略〜

match.comもeHarmonyも心理学を応用した質問紙に答えながら自分のプロフィールを記入するようになっているので、プロフィールを読むと、だいたいその人がどういう趣味や価値観を持ち、どんな感じの人かある程度わかるように工夫されている。とくにeHarmonyは心理学を駆使して科学的に自分と合うタイプの人が検索されて出てくることになっているそうで、自分のプロフィールを作成する際に、答えなければいけない質問や記入しなければならないことがたくさんあって、登録するだけで一苦労だと聞く。それだけに、いい加減な気持ちで出会おうとする人を排除できるメリットはあるそうだ。

〜中略〜

米国のインターネットでは、やり方次第でかなりレベルの高い人と真剣な出会いもできるし、カジュアルな軽い付き合いもやろうと思えば可能だ。男女とは限らず、男男、女女のカップルもありだ。すべては自己責任。自己責任が原則的に確立している米国で発達しているのもうなずける。


それに米国では、もともと昔から新聞や雑誌にパーソナルズ(掲示板的なもので数行の個人広告を出して「自分はこれこれこういう人で、これこれこういう感じの人との出会いを求めています。ご連絡ください。」という出会いの欄があって、それを利用する人も少なくなかった。それがインターネットの時代になって大規模にネット上でやるようになっただけといえばそうかもしれない。下地は確かにもともとあった。

米国でインターネットで人と出会うのが主流になった別の要因としては、職場ではセクシャル・ハラスメント防止のための会社の規則が厳しくなって、社内で恋愛相手を見つけるのが難しくなったという事情もある。その他の要因としては、米国ではEメールはパソコンを使うのが基本で、携帯電話の小さい画面で誰かと出会うのではないということだ。この「パソコンを使う」ということが実は非常に大事なポイントだ。

インターネットで人と出会う場合、相手を見極める個人の力量が重要。相手の書いてきた文章をしっかり読むことがまず第一に極めて大切なのだ。経験者はほとんどの人がみな同じことを言う。書いたものを読んで、Eメールを何度か交換すればだいたいどんな感じの人かはわかる。文章は人を表す。嘘があったとしてもある程度見抜ける。これが、携帯電話の小さい画面だと不可能で、書く文章が短かすぎて、短い会話のやり取りをしても相手を見極める判断には使えない。インスタント・メッセージで出会うことを好む人はろくな人がいないと評判だ。

〜中略〜

日本で「出会い系サイト」が悪いイメージのものとして進んでしまったのは、パソコンではなく、携帯電話を使ったメッセージのやり取りを中心としていたことと密接な関係があると思う。たしかにああいうやり方では良い出会いは困難だろう。日本では一般家庭でパソコンでEメールをすることが普及する前に、携帯電話が普及してしまった。そして携帯電話でEメールのやり取りをすることが多いことが米国と大きく違うところだ。


日本ではもともと一般家庭にタイプライターは普及していなかったので、携帯電話で何回もキーを押してEメールを送ることにそれほど抵抗がなかったかもしれない。しかし米国では昔からタイプライターというものが存在していたので、キーをひとつ打って、アルファベットが一文字出てこないと米国人は気が済まないのだ。アルファベットを一文字出すのに携帯電話のキーを3回も4回も叩かなければならないようなものでEメールを書く気にはなれなかったというのが普通の米国の大人たち。若者たちは別で、日本と同じ「親指族」で、ティーンエイジャーは7年くらい前から携帯電話で器用にEメールのやり取りをさかんにやっていた。

〜中略〜

インターネットは特に特別な趣味を持つ人には出会いのツールとして極めて有効だと思う。たとえば、爬虫類が大好きで大きな蛇をペットとして家で飼って、ときどきベッドで蛇と一緒に寝たいと思っていている男性がいたとして、そういうことを好む女性に、街を歩いていて出会えるとはとても思えない。しかし、ネット上では趣味を同じくする誰かが結構反応してくるのだ。これは革命的なことだと思う。

インターネットはたしかに恋愛革命かもしれない。以前は、恋愛の相手は結局自分の行動範囲の中か、その延長線上で出会うしかなかった。現代では、出会おうと思えば世界中から選ぶことができる。実際に大切な誰かに出会えるか、出会ってもそれに気がつくかどうかは別として、星の数ほどの中から宝物を探しだそうと思えば可能な時代となっているのだ。Online dating websiteは、日本でもこれからの成長が期待される分野であることは確実と思う。


肥和野 佳子(ひわの よしこ)
ニューヨーク、マンハッタン在住。国際税務専門職。東京大学大学院法学修士。1988年から米国在住。1990年、米国の大手監査法人KPMG入社。監査部門で2年経験後、税務に従事。2000年よりEASTON, Inc.経営。