迷わず行こうよ、行けばわかるさ

何でも経験してみなけりゃわからない。やってみると先がみえるよね。還暦オヤジのダイアリー。

「苦海浄土」

新装版 苦海浄土 (講談社文庫)

新装版 苦海浄土 (講談社文庫)

 

 TV番組で本の紹介をしてた。オレ等が生まれた頃に起こった公害(水俣病)を題材にした本で、当時は世間をにぎわしていた。ルポみたいな本かなぁと思ったけど知りたいなと思いKndleで購入。

最初のページからもう描写がすごくって田舎の町の風景が迫ってきた。こういう風に表現できるんだなぁとおもいつつ読みすすむと、、。

すぐに強烈な話に展開していくのだけれど、この作品、とてもオレなんかじゃ表現できないので高橋源一郎さんの批評の一部を紹介。

「苦海浄土」は悲惨なものを書いているのに美しい。ドキュメンタリーだと、「悲惨だね」となってしまうでしょう。そうならないのが文学なんです。文学は肯定的なもので、99%が闇でも、1%の光を求める。つまり「何があっても生きる」とするものなのです。この世界には、弱いけれども確かな声がここかしこにあるはずです。それは、地方の言葉なのかもしれません。あるいは、子供や老人や病者の言葉なのかもしれません。そういった聞き取りにくい言葉を、聞き取る努力、能力こそが、今一番必要とされているかもしれません。

 熊本や天草や九州の人はこの本の方言がより響くと思う。おすすめです。久しぶりに本らしい本を読みました。