迷わず行こうよ、行けばわかるさ

何でも経験してみなけりゃわからない。やってみると先がみえるよね。還暦オヤジのダイアリー。

オヤジと暮らして1年経過

こないだ母の一周忌を終えた。ということはオヤジと2人で生活しだして1年経過したとうこと。もう1年になるか~と長かった気もするし、そうでない気もする。男ふたりで沈んだ感じもあったので、オヤジの気になる場所訪問の旅(大学時代の熊本、戦争遺産の沖縄や特攻隊の鹿児島、長崎の原爆など)をやったりした。もう行かないだろうし、これは良かったように思う。ドライブも好きなようだし。ほんとはパールハーバーも訪問予定だったけど遠いなと言い出して未定。

 

毎日おとこ二人顔を合わせて平和に過ごせるのは奇跡的なんじゃないかと思ったりする。うまく行ってる理由はひとえにオヤジの性格の良さゆえである。オヤジは決まったことしかしない(できない)ルーティン男なんだけど、高飛車に出たり感覚や生き方を押し付けたりすることが無いのだ。オレが一方的に動作や無意味な一貫性(効率がわるいと感じる)のにイライラするだけ。時に、◯◯すればいいやんと文句行ったりする。毎回反省。昭和一桁生まれの男としては、かなり寛大な考え方なのだと思う。

 

やることがルーティーン化(役割分担化)してることもプラスだろうと思う。オレが炊事と家の補修、庭管理など外回り。オヤジは洗濯と床掃除、ゴミ出し。洗濯なんかすげぇ律儀にほぼ毎日やるし、楽しみのよう。何故かっていうと干し方にもルールがあって、洗濯機終わって干してない時にオレがチャッチャと干したりすると、あとで確実に干し直してる。きっちり物干竿に腕とか通して。こだわりがあるんだよね。良いことだけど。

 

面倒くさいのは昼ごはんにしろ夜ご飯にしろ、いちおう何にする?と聞くんだけど、100%「何でもいい、お前がいいのでいい」となる。それが一番面倒なんじゃい~と思う。で、飯より麺が好きだから麺系統を作ったりラーメン屋やうどんに行ったりするんだけど、もう新しいものに勝負しないんだよね、常にラーメン、常にとろろうんどん(冷&温)。新しものトライ系のオレは何でもいいっていったじゃやんと勝手に天ざるとかぶっかけそばをオーダー。そうすると「コレうまい」とか言うんだよね。すごいことに85年間”天ざる”や”お好み焼き”(もちろんもんじゃも)、”ヒレのとんかつ”や”エビドリア”を食べたこと無かったのだ。。。もちろんフレンチはおろかベトナミーズ・タイ・本格中華など未だ食べたことないし、食べる気もない。

 

すげーねと本人に言うと、「子供の頃、芋のつるばっか食べた」という話。何度も。戦時中だったからね。好きなのはかぼちゃの煮っころがし(いりこ風味)とクチゾコ(下平目)の煮付、とうきび(トウモロコシ)。3種の神器なのだ。これだけは普段と違い貪り食うって感じなんだよね、勢いがある。要するにわかりやすくイージーで、味覚無く、寛大な人。しかもよそに女っ気ゼロ、浮気なんか考えもせず趣味もなくただひたすら学校の先生。75まで私立で継続したりして。(祖父が大波乱の女人生を送って自分と姉の兄弟ともに別々に里子にだされた苦い経験から半端ない真面目さなのだ)こんなキャラなら母親も楽だったろうと思う。反面つまらないのは仕方ないけど。母親はいつもそういってた。

 

まぁお互いなんだかんだ寝りゃ忘れるっていう脳天気な性格なこともあって言い争いみたくなっても長引かないんだよね、争い事を忘れちゃう。なんつーか、オヤジなんだけど友達っぽいというか、知り合いのおっちゃん的な感じなんだよね。まぁ、恥ずかしながら親友と言うべきかもしれない。一緒に映画を観に行くのもそういう気分なんよね。社会派の映画ではふたりとも絶賛するしね。ララランドを5つ星評価したのにはいい意味驚いたけど。

 

そういうわけで、オヤジが将来確実に居なくなると想像するだけで空間にブラックホールが出来ちゃって迷走しそうになる。月に1回くらいだけどね。もう、「備えよ」ってジェダイみたいな気持ちになるよ。それはもうひと段階シンドそう。。。運命をまっとうしようね、ってしか言えないし思えないよねー。

 

毎日一緒に何気なく日々を送ってるのも懐かしくなる日が来るのでしょう。地味でも健康的に、大切に、日々を送ろうっていうことだろうね。