迷わず行こうよ、行けばわかるさ

何でも経験してみなけりゃわからない。やってみると先がみえるよね。還暦オヤジのダイアリー。

「55からのハローライフ」


ひさしぶりだなー村上龍さん。限りなく透明に近いブルーコインロッカー・ベイビーズ愛と幻想のファシズムなど、20代にやたらドロドロになりながら読んだのだ。 かなり突っ走った作品に影響され、酒を飲んでは読み返したりしてヤバかったんだよね。毎日満員電車の東京で暮らすのに疲弊してた時期。金融関係のサラリーマンで実情はアル中寸前だった日々が懐かしい。(このあたりの本をいま手に取るともう全然読めない、精神的・体力的に拒否しちゃう)


・・・んで、それ以降、彼はTVの番組やったりして、何だか温厚になってしまった。どちらかというと反社会的な匂いがプンプンしてたんだけど、今や温厚な優しい兄貴って感じだよね。きっと悪戦苦闘の日々は乗り越えたんだと思う。


・・・で、たまたまアマゾンで見かけて購入。55歳ごろ微妙な心理を裕福層・貧困層とわけて書かれた6つの小説。取材に基づいたのか、なかなかリアルだ。そして元気になった。(もともと落ち込んでるわけじゃないけどさw) 何とか一緒にブレイクスルーしようぜっていう龍さんの愛情ある気持ちが伝わってくる。最近、どの本も「このしんどい先行き不安な時代をあきらめず生き抜こう」っていうのが共通したテーマになってる気がするね。ビジネス本も小説も。そんだけみんな不安になってるんだね。特に今の中高年にとっては衰退する社会の不安と自分が衰退する不安がダブルになってるからね。リタイア間近なサラリーマンの方に。★★★ 評価額800円